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シンガーソングライター【セミユナ!】ex.蟬時雨ユナイテッド

投票行って外食するにいたるまでに考えたこと

あまりに更新しなかったために勝手に広告がついたりする仕様には気付いていたが、なかなか重い腰を上げれずにいた。

久しぶりにしたためようとしたのは、この歳にして2度目の選挙に凸することにしたので、まあせっかくだしそんな自分の気持ちを記録しておこうという魂胆が現れたからである。

 

 

 

そう、これだけまともを装った文章を書きながら、これまで選挙にはほぼ行ったことがなかったのだ。理由は簡単なもので、『いつのまにか投票日が過ぎていた』というもの。政治に深く関心があるわけでもなかったので尚更、投票日と同じようにいつのまにか世の中が動き続けていた。

 

 

 

はじめての投票は選挙権を手に入れてすぐのことだったと思う。わからなかったので優しそうな顔の人に投票してみた!的な、とても大人とは思えない選球眼を携えながら丁寧に字を書いた。特段勉強ができないのに字だけ綺麗な天然パーマはその後一度も権利を行使することなく35歳になった。見事、四捨五入してアラフォーである。アラサーは酒を浴びていたら音の速さで通過していた。政治家でもないのに『記憶にございません』という魔法の言葉を駆使していた。

 

 

 

若者の投票率が低いと言われることが多い。真偽の程はわからないが、本当にそうなら日本の世の中の決定権はそれよりもほぼ必ず選挙に行く年齢層の高い人たちが決めていることになる。未来を担うのは若者なのに、盛大に矛盾してるように思えたのも凸するひとつのきっかけになっている。

 

 

 

忘れないように期日前投票に行こうとも思ったが、調べてみると投票日の会場の方が家から劇的に近かったので、忘れずに当日行くことに決めた。絶対に忘れない。フリではない。本気中の本気だ。なんせコンビニより近い。コンビニや最寄駅と逆方向だけど、とにかく近いんだからしょうがないし忘れようがないのである。会場の場所を確認してほくそ笑んだのは言うまでもない。選挙公報を見ながら税金を葉っぱにして紙で巻いたもの-人はそれをタバコと呼ぶ-に火をつけた。その煙を換気扇が吸い上げて、肺を黒くしたなんてこと、1ミリも考えてはいない。コーヒーも美味しいし、トップバリューさんいつもありがとうございますと心で呟いてマニフェストを流し読みした。日本は今日も恵まれている。

 

 

 

これまで僕が投票しなかったことにより、その一票で動いた世界は普通になかったのかもしれない。むしろなかっただろう。しかしそれでも関心を持たないよりはいい気がしたし、知らないより知った方がいいことを知らないでいたくなくて、なるべく知ろうとしたのがここ一年だった。真面目に働いても、サボっても、飲み過ぎて朝からゲロ吐いても、昨日食べたラーメンに入れた豆板醤がそのまま出ても、変わらず世界は動いていた。豆板醤を作っている人も変わらず生活しているはずだし、各種陰謀論や都市伝説がめぐりめぐっても、コロナ禍を耐え忍んだ。長い冬が明けかけているが、そんな今の季節は丸2年経った冬が近かった。最中、僕は人並みにオリンピックに感動したり、無観客ライブで同じ曲をやることに飽きがきてはいかんと思い曲も少し多めに作った。

 

 

 

お笑い界のスターや実力のある俳優や天才的女性ギタリストなど、失った悲しい現実はあれど、生き残ったからには使命があるのだと思うことにして、今日も誰かに感謝して、たまに迷惑もかけたりもしながら、また会いたい人に会える日を心待ちにしている。

そうして明日、忘れずに選挙に行って、投票所と逆方向のごはん屋さんでひとり外食しようと思う。忘れないからな。

 

 

 

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